諏訪の手長神社の話Vol.2(かじの葉)
投稿日: 2016/07/07
今日は七夕さまです。
「かじの葉」と「七夕さま」のこと知っていますか?
先日、『つなぐ通信』Vol.2でも取材させていただいた、
祖師谷大蔵ウルトラマン商店街の
そば店「さか本」に伺いました。
季節のしつらえでも有名な、
「さか本」のウインドーは、やはりタダモノではなく
そこにあったのは、
京都の冷泉家に伝わる七夕の行事の「乞巧奠(きっこうてん)」。
「乞巧奠」は、七夕の起源といわれる宮廷行事で、
女性が針仕事が上手くなるようにと織女にお供え物をし、
かじの葉に和歌を書き、五色の布に吊るします。
七夕で短冊に願い事を書くのは、
乞巧奠の風習からきたといいます。
このことを教えてくれたのは、
昨年『つなぐ通信』諏訪特集で取材させていただいた
手長神社の宮坂清宮司さんです!
・・取材時は実際に宮坂宮司さんが、かじの葉に筆で
歌をしたためてくれました(撮影:貝塚カメラマン)・・
・・梶の葉の裏は小さな毛で覆われているため、
文字が書きやすいのです。
「はがき」は「葉書き」という字を書きますが、
起源はまさにこれ! ・・
・・手長神社、足長神社の宮司を務める宮坂宮司さんに
御朱印帳に書いていただきました・・
カジノキは神聖な木とされ、
日本各地の神社などにも植えられ
神事に使用されたりもします。
諏訪大社の御神紋は、かじの葉であり、
手長神社や諏訪郡内の神社でも使われています。
・・手長神社の土鈴にもかじの葉が!宮坂宮司のデザインです・・
カジノキは手長神社の境内にあり、
宮坂宮司さんに案内していただきました。
このカジノキは諏訪の神長官(じんちょうかん)を
受け継いできた守矢家と諏訪大社春宮から
枝分けしてもらった由緒あるものなのです。
かじの葉は成長するにつれて
葉の形が変形していくのも特徴で、
葉が5つに分かれたもの、3つのもの、
全く分かれていないものなどいろいろです。
やはり一番かじの葉らしいのは、
5つくらいに分かれているものでしょうか。
諏訪大社もそのタイプです。
カジノキは、クワ科コウゾ属ですので、
かじの葉と似たような木も見られます。
クワやコウゾにも似ていますが、
一番の特徴は、枝や葉裏に
ビロード状の軟毛が密生していることです。
つるつるしている葉は、
水をはじき文字を書きにくいのですが、
かじの葉はザラザラ感があるの書きやすいのです。
コウゾの仲間ですので和紙の材料にもなるようです。
・・昨年9月に訪れた時は、
かじの実がなっていました。
これも滅多に見られないラッキーな光景です・・
今年は7年に1度の御柱の年です。
手長神社には2010年に建立された立派な御柱があります。
今年の4月末に、お役目を終わった御柱を横にする
「御柱お休め」が行われました。
2016年の手長神社の御柱は、
9月18日に山出しを行い、9月24日〜26日に里引きをして
建て御柱・根固めが行われるようです。
『つなぐ通信』スタッフ一同、ぜひ行こうと張り切っています!
・・手長神社の境内には40余りの末社があり、
御柱が建てられています・・
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【文・写真:成田典子】