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【近江取材日記】「林与」奇跡の新人デザイナー(2)

投稿日: 2017/07/09

『つなぐ通信』Vol.16夏号で取材した
近江湖東地域・愛荘町の麻織物メーカー
「林与」の第二弾です。

第一弾はこちらから↓
「林与」奇跡の新人デザイナー(1)


・・・林社長の自宅の庭でストールを撮影
(写真:大社カメラマン)・・・

  
・・・近江では、庭が立派で大きな仏壇のある
お宅が多く見られました・・・

「林与」では、受注生産だけではなく
「林与にしかできない麻織物」を発信していく
準備が整ってきていました。

数年前より、世界最高峰の麻織物を目指す
ヴィンテージアイリッシュリネンの
ハンカチプロジェクトに取り組んだり、
数千柄に及ぶ「林与」の近江上布のアーカイブ柄を
プリントとして復刻させたり、
近江・野州市の明治創業の藍染工房
「紺九(こんく)」とコラボしたリネンストールなど、
高い技術のものづくりを一つ一つ積み上げてきました。

そして今年完成したのが、
念願の「近江上布の復活」です。


・・・縁側で、アイリッシュリネンの撮影が始まりました・・・


・・・林社長の自宅の床の間には「びんてまり」が・・・

林社長が復活させた近江上布は、
伝統的な手法で作るものではありません。
「伝統工芸」になってしまうと時間も手間もかかり、
値段も高いものになってしまいます。
産地には、専門にできる職人さんも
ほとんでいなくなりました。


・・・手織りのように、一段ずつ柄を合わせて
織っていきます・・・



・・・上に乗せているのは、林与アーカイブの近江上布。
かなり見本に近づいたものが織られています・・・


・・・林社長が自分で型紙を彫って糸を染めます・・・


・・・工場の側には小さな染め場があります・・・

現代にマッチした近江上布がどうしたらできるか
試行錯誤の上で完成したのが
小ロットに対応でき、短期間ででき、
しかも値段も高すぎない、
すべてが自分ひとりで完結できる近江上布でした。

まさに、何からなにまで
自分ひとりで切り抜けてきた
林社長ならではの思考回路で創り上げた
近江上布でした。




・・・試作で織りあがった近江上布は、
5月の東京国際フォーラムで開催された
「Premium Textile Japan」でお披露目され、
好評を博しました。なんとこの展示会は林社長が多忙のため
新人デザイナーの斎藤慧理さんが、一人で出かけました。
初めての展覧会で臆せずお客さんと接している姿には脱帽です・・・

「林与」では、独自の近江上布を
自社アーカイブ柄で表現した「林与」ブランドと、
慧理さんの新しい感性で表現した慧理さんブランドの
2つで展開していく予定です。
生地だけではなく、洋服も展開していきたいと
目標はまだまだ高く設定しています。
「林与」の社長に就任してから10年近くなりますが
いろんな困難を乗り越えてここまできました。

決して手を抜かず、
時代に逆行していると思えることも
ものづくりや商売の信念を曲げず
コツコツやってきました。
今回の取材写真で林社長と慧理さんの
最高の笑顔が撮れました。
「テンション上がる〜」と、
スタッフ全員一致で表紙に決定。
表紙のコピー「苦は楽のタネ」も、
この笑顔で閃きました。



【文・写真:成田典子】

カテゴリ:取材秘話・裏話の投稿 | コメント(0)

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