向島の仲間たち「東向島珈琲店Vol.2」
投稿日: 2014/03/18
『つなぐ通信』Vol.5春号の
「大人のまち物語」で取材した
『東向島珈琲店(通称:ひがむこ)』の第2彈です。
ひがむこには「すみだモダン」という
すみだの地域ブランドに認定されている
スイーツが2つもあります。
「すみだモダン」は、すみだという地域をイメージでき、
その魅力を高めることのできる
商品にあたえられるもので、
すみだの知名度向上とイメージアップを図ります。
・・・・左/レアチーズ、右奥/抹茶のリ・オレ、
右手前/フォンダン・ショコラ・・・・
・・・・珈琲やスイーツの美味しさはいうことなし!
しかも値段もお手頃なのです!・・・・
ひがむこでは、2012年度は「レアチーズ」、
2013年度は「抹茶のリ・オレ」が認定されました。
「抹茶のリ・オレ」を開発するにあたり、
マスターの井奈波(いなば)康隆さんは
“つなぐ”というコンセプトを設定しました。
実はこの「抹茶のリ・オレ」、
スイーツばかりではなく、スプーンもお皿も
すみだの“リソース”を使って作られた
完璧な「Made in Sumida」なのです。
リ・オレは、お米とミルクを使った
フランスの定番的なデザートです。
井奈波さんは、下町らしさを出すために抹茶を加え、
お米は墨田区の五つ星のお米マイスターに
リ・オレ専用にブレンドしてもらいました。
注目して欲しいのはガラスのお皿とスプーンです。
このスプーンはすみだの町工場で作る
“人工骨インプラント”に使われるチタン製。
お皿もすみだのガラス企画会社で
作ってもらったものです。
もちろんすべてがオリジナルで
20セット作ったといいます。
・・・・感動するのはお皿にスプーンが置ける
溝があることです!(分かるかな?)・・・・
井奈波さんは、今回の「すみだモダン」の
開発にあたり、中味だけの新商品ではなく
新しい「仕組み」や「組み立て」で
もの作りができないか考えました。
様々なジャンルの人たちが集まると
Made in Sumidaで家を立てることもでき
志を同じくする人たちと
大きなプロジェクトを組むことが
できるのだといいます。
・・・・偶然にも手に入った活版印刷機で
ワークショップを行いました・・・・
ひがむこは、個人のビジョンを実現する
きっかけを作ってくれる場所でもあります。
店内ではワークショップやイベントなども行っています。
墨田区向島の牛島神社で開催される「すみだ川ものコト市」も
ここでの数人の発言がきっかけで発足しました。
「すみだ川ものコト市」は、モノづくりの町で
「ものとコトの出会い」を橋渡しするイベントです。
すみだの作家や店舗などによるオリジナリティのある
出店や、下町の伝統芸能などで来場者をもてなします。
・・・・「すみだ川ものコト市」は2011年にスタートし
2014年3月30日(日)開催で第6回を迎えます。
(写真は2013年10月27日開催のもの)・・・・
・・・・牛島神社の境内から
スカイツリーを眺める光景は圧巻です・・・・
・・・・すみだ川ものコト市実行委員会代表の
角田晴美さんと委員の三田大介さん。三田さんは
「配財プロジェクト」でも活躍されています・・・・
・・・・バネ屋さん、ネジ屋さんなどの工場の職人さんが
バネやネジでアクセサリーや凄いオブジェを作ります!・・・・
・・・・神楽殿ではライブ演奏や、子供も大人も楽しめる
イベントが開催されています!・・・・
・・・・革小物のハンドメイドワークショップを開催しているのは
『つなぐ通信』Vol.3で取材した『HIS-FACTORY』の
中野克彦さん。向島の取材は中野さんからつながりました。
右端で一生懸命作っているのはVol.5で取材した
古民家ワインショップ&バーの『お静』の平山隆一さん。
まさかこのときは、その後取材することになるとは
夢にも思っていませんでした・・・・
井奈波さんは、イベントなどでは自分が主催者や
主役になることはほとんどなく、
自分はサッカーで言うと
「トラップ」する役割だといいます。
いつも的確にパスできる場所でいたいのだと。
・・・・ひがむこのマークは「白とブルーのストライプ」。
これは井奈波さんがトレードマークにしている
白とブルーのロンドン・ストライプのシャツを
デザイン化したものです・・・・
井奈波さんは、すみだに生まれ育ち
ホテルマンを経験した後、32歳で独立し店を持ちました。
ひがむこは、古い喫茶店をリノベーションしたもので
子供の頃から知っている地元の工務店さんと
悩みながら一緒に作ったといいます。
「こういうものが、あったらいいなあ」
「ないから作ろう!」と考えながら
様々なジャンルの人たちを
つなげ・つながり8年経ちました。
そろそろ、さらなる「カフェの可能性」を考え
新たな役割を探している時期かもしれません。
【文・写真:成田典子】