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「藍工房」代表・竹ノ内睦子さんの夢(Vol.1)

投稿日: 2013/12/16

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障害者が働く本格フレンチレストランがあると知り
三軒茶屋の「アンシェーヌ藍」を訪ねました。
そこで障害者の自立支援のために作られた
藍工房」の代表であり「社会福祉法人 藍」の理事長でもある
竹ノ内睦子さんと初めてお会いしました。
ほとんど前知識もなく話を伺い
「こんな方がいらっしゃるのか…」と驚き、
そして感動でした。
冬号「大人のまち物語」では書ききれなかった
竹ノ内さんのことをもう少しお話したいと思います。

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・・・・竹ノ内睦子さん(アンシェーヌ藍にて)・・・・

竹ノ内さんは、初めてお会いする方にも
どんな立場のかたにも、とてもナチュラルに接します。
まるで古くからの友だちだったように
親しみを込めて話し続けます。
ガンに冒された自分の病気のこと、障害者との生々しい体験、
奇跡を起こしてきた事業の数々、そしてこれからの夢。

1981年、国際障害者年に脳性麻痺の小高恵子さんと出会い
「仕事がしたい、働く場がない」と訴えられたのが
すべての始まりでした。
「小谷さんの働く場所を作ろう」
当時普通の主婦に過ぎなかった竹ノ内さんの強い決心が
その後の人生を大きく変えました。

「人間は表現する動物だと思うの」
「表現ができなくなると、死にたくなる…」
「人間は表現しているときが一番楽しいのね。
何でもいいの!何でもいいの!」

障害者の仕事といえば、袋詰めのような単純作業や
分業でひとつのものを作る仕事が一般的だった時代でした。
竹ノ内さんは、障害者が「自己表現できる仕事」がないか考えました。
そこで辿り着いたのが「日本の伝統工芸」でした。

「障害がある無しに関わらず、素晴しい日本の伝統や文化を
次の世界に残していくべきだと思ったの」
「だからまず初めにここに楔(くさび)を打つことにしたの」

着目したのは日本の伝統技術でもある「藍」でした。

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・・・・・「藍工房」の藍瓶・・・・・

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・・・・・フィルムケースを利用して水玉柄を染めます・・・・・

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・・・・・「人気でよく売れるんですよ」フィルムケースで染めた
水玉Tシャツを制作ボランティアさんが見せてくれました・・・・・

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・・・・・これから販売される藍染めに刺し子をした小物・・・・

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・・・・・ただいま刺し子の制作中!・・・・・

さらに大変な努力と時間を遣うのだから、
中途半端なもの作りではなく、
「世界を目指し、世界に認められる仕事をしよう!」
「仕事を持って世界に出て行こう!」
そういう気構えを持って、竹ノ内さんと小高さんは
徳島の本格的な藍染め工房に学びに行き
藍染めの勉強を始めたのです。
そして1983年、「藍工房」が設立されました。
今では、刺し子、組み紐、陶芸、さをり織りなども
行われるようになりました。

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・・・・・組み紐制作中!丸台のシールがカワイイ!!・・・・・

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・・・・・こんな素敵な組み紐ができました!・・・・・

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・・・・・こんな素敵なバッグができました!・・・・・

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・・・・・ご自分が制作したバッグを見せていただきました・・・・・

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・・・・・様々な素材や色で織り上げられた
さをり織りの洋服。色使いが本当にきれい!・・・・・

もうひとつの目標は、障害者それぞれ
みんな生きる思いは違うのだから“十束一絡”ではなく
「個人の夢を実現していこう」と掲げたことです。
「藍工房」ではマニュアル通り “やらせられる”のではなく、
基本は教えてもらいますが自分の考えで自由に表現します。
自分ができる範囲内の時間帯で、自分がしたいものを
自由に制作することができるのです。

1時間しかできない方、
レストランでは、ホールや調理のスタッフだけではなく
朝、掃除やセッティングだけして帰る方もいます。
決して無理をせず、ストレスを与えず、
できるところからステップアップしていくのです。
ここでは効率や利益追求よりも「人の気持ち」が大切なのです。

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・・・・・「アンシェーヌ藍」の店内でも「藍工房」の作品が
展示・販売されています・・・・・

そして、障害者が家族から自立して
地域の中で生活していくための生活訓練ができる場として、
グループホームも作ることができました。

この続きは、次回お話します。

【文・写真:成田典子】

カテゴリ:取材秘話・裏話の投稿 | コメント(0)

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