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「つくるのいえ」岡山産地コラボイベント

投稿日: 2018/05/15

『つなぐ通信』Vol.18「八王子特集」は、奥田染工場奥田博伸さんが立ち上げた八王子の「つくるのいえ」のプレオープンイベントが大きなきっかけでした。

「岡山産地とコラボしたイベント」と聞き、
「岡山」にビビッと反応!

何しろスポンサー企業の地元。面白いネタが探せるかもしれないと、編集長の成田とデザイナーの辛嶋がイベントに出かけたのは、クリスマスムード真っ盛りの昨年の12月23日。


⬆今年の2月末、「つくるのいえ」にまつわるみなさんが集まってくれた集合写真。ここにいらしているほとんどの方が、プレオープンイベントにいらしていたんですね。遡ってみて、いろんなことがわかってきました・・・(写真:大社カメラマン)



⬆「つくるのいえ」プレオープンイベントのフライヤー。盛りだくさんの内容です!


⬆「つくるのいえ」は、元機屋(はたや)さんだったお家をリノベーションしたものです。立派な庭があるのですが、今は寂しい状態。いろんな植物を植えたらもっと素敵になると思います。家の前には、たこ焼きやスープ屋さんのワゴン車など、おいしいもの屋さんも登場しました!

「つくるのいえ」のある中野上町の近くには、奥田染工場があり、ここは5年前の創刊号で奥田さんを取材した懐かしい地域。当時は「中野上町」や、近くを流れる「浅川」が八王子にとって大きな意味を持つことなどつゆ知らず、関心も向けてはいませんでした。おそらく地元住民である奥田さんもそうだったのではないでしょうか。それが八王子にとってとても重要な地域であり、特別な意味を持つ地域になったのは、「織物の町・八王子」の奥深い歴史を知ったからなのです。その話はまた後日として、まずはイベントの様子をご紹介します。


⬆手前にあるのは、岡山の石井織物工場の生地に、浦上染料店の「梅墨」を使い、奥田染工場で擦り上げたタペストリー。正面で、チャイナ服を着て一際目立っていた男性が、今回取材のキーマンともなった小俣能範(おまたよしのり)さん。八王子で有名な「うさぎや」という靴屋さんの店主で、街おこしに尽力されていた方でした。もちろん、この時はこんなつながりになるとは知る由もありませんでした。しかし、八王子が江戸の町づくりにいかに貢献したかは、しっかり私たちにアピールしていました。

⬆奥田染工場で製作中のタペストリー(写真:奥田さん提供)

岡山といえば、倉敷市児島地域の「帆布(はんぷ)」や「デニム」が有名です。この地域は江戸時代には、刀の柄(つか)に巻いたとされる「真田紐(さなだひも)」や、帯や袴地の「小倉織(こくらおり)」など、緻密で丈夫な織物を得意としていた産地で、その技術を活用したものです。


⬆手前の傘は吉祥寺の「イイダ傘店」イイダヨシヒサさんも、傘生地が八王子とご縁があり、今回の取材に登場することになりました。Vol.2以来の5年ぶり2回目の登場です。


⬆岡山の「丸山刺繍」に依頼した生地を使用した東京のデザイナーの製品。

岡山からは、国内の帆布生産の70%を占める「タケヤリ」や、サンプル染めや天然染め工房の「浦上染料店」、日本でも数少なくなったレース機で製織されるエンブロイダリーレース(刺繍レース)の企画・販売をしている「音の絵」、デニム製品の企画・販売の「EVERY DENIM」が参加。
また、優れたギャバジンとタッサーの綿織物の工場「石井織物工場」やエンブロイダリーレース工場の「丸山刺繍」の岡山の工場も紹介され、東京クリエーターとコラボした製品も展示販売されました。


⬆「音の絵」のデザイナーの間野菜々江さん。この時はまさか2月に岡山で取材することになるとは夢にも思っていませんでした。とても控えめなやさしい方でした。


⬆イベントでは編集長が赤い吾亦紅(われもこう)の刺繍柄のブックカバーを購入。間野さんも身につけていた生地です。とってもお気に入りのブックカバーになりました。


⬆間野さんのエッセイ『夜中にミシンを踏みながら』。この時は購入しませんでしたが、その後気になり、Amazonで購入。間野さんの人柄や温かな心が伝わる素敵なエッセイでした。『つなぐ通信』の読者プレゼントにご提供いただきました。

この日の16:30からは岡山産地の方のトークショーが開かれました。岡山産地からは「浦上染料店」2代目の浦上俊二さん、「タケヤリ」リテールディビジョンの大岡千鶴さん、「音の絵」の間野菜々江さんが参加。この3人には、2月に取材させていただくこととなりました。そして、もう一人は、クラウドファンディングを活用し、岡山のデニムで起業した「EVERY DENIM」の山脇耀平さんが参加。聞き手は奥田さんと、奥田さんの『つくるのいえ」のパートナーでもある「DEED FASHION」の近藤弘一さんです。このあたりからとにかく奥田さんの周りには、たくさんの人が登場し、さすがの私たちも覚えきれず、取材が決まった時には、相関図を書いていただきました!


⬆岡山産地トークイベントには、たくさんの若い方が集まりました。右奥が「タケヤリ」の大岡さんと「浦上染料店」の浦上さん。岡山弁で飾り気のない話をする浦上さんに、みなさん真剣に聞き入ったり爆笑したり。


⬆右端から「DEED FASHION」の近藤さん、「音の絵」の間野さん、「EVERY DENIM」の山脇さん、「タケヤリ」の大岡さん。


⬆左のブルーのダウンを着ているのは、浦上さんの息子さん。赤いダウンの女性はスタッフの方。岡山からみなさんでいらして、ワークショップやトークイベントに参加です。


⬆2月の岡山取材の時も、お会いしました!実はこの時は、トークイベントにいらしていた息子さんたちとは気がつかず。失礼いたしました〜。(写真:大社カメラマン)


⬆トークショーの後は、岡山の皆さんとの交流会が開かれました。この時は知りませんでしたが、後で取材に参加してくださったイラストレーターのpecoさんや、「つくるのいえ」や『つなぐ通信』の目次イラストを描いてくださった、Yamamoto Harucaさんもしっかり写っていました!


⬆浦上さんが持ってきてくださった岡山のおいしいタコや牡蠣などを使った料理が並び感激です!


⬆お料理を作ってくださったのは、新米料理研究家のチャビーさん。まだこの時はキッチンに湯沸かしもない状態で、寒く大変な中を早くから料理の準備をしてくれていたようです。みなさん、ありがとうございました!ちなみに、奥田さんはあきる野の「キッコーゴ」さんのお醤油を愛用していました。「八王子の人間はみんなキッコーゴですよ!」と、得意げでしたよ〜!


⬆奥田さんが、「つくるのいえ」の修理に大活躍の本橋幸太さんを紹介してくれました。庭師で大工仕事までこなす頼もしい助っ人。人との絆やつながりを大切にする、男気のある方で、今回の特集にも登場しています!


⬆Harucaさんが描いた「つくるのいえ」のイラストに登場するのは、みんな奥田さんにまつわる方達です。みんなが「つくるのいえ」誕生に力を貸してくれました。そこには亡くなったお父さんや職人さもいらっしゃいました。(イラスト:奥田さん提供)


⬆文字が読めないかもしれませんが、奥田さんが送ってくれた今回の特集に関連する方達の相関図です。奥田さんとつながっている方達への感謝の気持ちが伝わってきます。


⬆12月23日の食事会の後で、撮った集合写真です。この数カ月で随分お知り合いが増えました。「おじいちゃんの古希のお祝いの写真のようだね」とは、浦上さんの感想(笑)。(写真:奥田さん提供)

そしてこの出会いがきっかけでスタートした『つなぐ通信』Vol.18「八王子特集」。このあと岡山取材も実現することになりました。次回は、誌面が少なくて伝えきれなかった岡山取材日記がスタートします!まだまだ続きますので、今後もお楽しみに!!


【文・写真:成田典子】

カテゴリ:取材秘話・裏話の投稿 | コメント(0)

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