つなぐ通信 Vol.18
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ドッグトレーナーの小野真理子さん。「ホーム犬と入居者様のワンちゃんのお世話をしています。ホーム犬には人に慣れる訓練を重点的にしてきました」ホーム内では、リードをつければホーム犬はどこでも行けます。多目的室やドッグランではホーム犬とリードなしで触れ合うこともできます。「ルルとターチは保護犬で、これまでいろいろ苦労してきましたが、ここでこんなにもみんなに愛されて幸せだと思います。入居者様も2匹と触れ合って元気になってくださり、いいことだらけです」(小野さん)左/ルル(ミニチュアダックスフンド)8歳メス 右/ターチ(雑種)1歳メス保護犬からホーム犬になったルルとターチ ルルとターチは別々の動物保護団体にいた保護犬でした。抱っこされるのが大好きなルルは8歳。ルルは血統がいいのでブリーダーの元でたくさんの子を出産。ブリーダーが高齢になり保護されました。ターチは推定1歳3ヵ月の女の子。兄弟5匹と、広島県福山市内で捨てられていたところを保護されました。散歩とおやつ、お友達が大好き。2匹は今では、遊び感覚で簡単なリハビリなどをサポートしてくれるパートナー(ワンダフルサポーター)となって大活躍中。ホーム犬とのふれあいで入居者の笑顔があふれるもうひとつの我が家のような暮らしを飼うことにし、ドッグトレーナーを正規職員として雇いました。入居者様と一緒に入居した愛犬の世話や、ホーム犬の訓練、そして愛犬を飼っていない入居者様とホーム犬の交流(ドッグセラピー)も担当してもらっています」(加藤さん) 愛犬と暮らせるホームづくりは、すでに入居している方々やご家族との同意や衛生面などの準備で時間はかかりましたが、昨年に2匹のホーム犬との暮らしが始まると、多くの入居者に予想以上の変化がありました。「レクリエーションの時間にルルとターチをホールにつれていき、入居者様に触ってもらったり抱っこしてもらったりしています。ワンちゃんに話しかけるときの笑顔はみなさんとても素敵です。楽しんで喜んでいただけるのでやりがいもあり、私も幸せな気持ちになります」(ドッグトレーナーの小野真理子さん)「犬は苦手とおっしゃっていたシニア様も、ドッグトレーナーに付き添われたワンちゃんと触れ合ううちに、ワンちゃんが大好きになり、自ら愛おしそうに抱っこしています。これまでは食事以外はあまり自室から出なかったシニア様が、犬と一緒のレクリエーションには積極的に参加してくださるようになったりもしています」(加藤さん) ルルとターチはスタッフにも変化をもたらせてくれたそうです。「あるスタッフは、介護の仕事は好きなのにシニア様と話すのが苦手で、彼女のよさをなかなか出すことができずにいたのですが、ワンちゃんが来てから笑顔が自然にでるようになって、シニア様との交流がうまくできるようになり、なんと動物の看護師の資格もとりました。 犬は苦手だといっていたのに、いつのまにか犬好きになり、いまでは始業1時間前にやってきて2匹を散歩に連れていくスタッフもいます。休日には子どもや孫をつれてきて、ワンちゃんと遊んでいるスタッフもいます」(加藤さん) しかしもちろん、アプルール秦野の温かな雰囲気は愛犬だけによってつくられたものではありません。愛犬たちによってさらにホームの温かさが増した、といえるのかもしれません。 アプルール秦野のコンセプトは「もうひとつの我が家のような暮らし」。シニアの方々が、入居前と変わらない日常生活、生活習慣を継続できるような暮らしを34TSU NA GU TSUSHIN

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