つなぐ通信 Vol.18
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入居者29人と愛犬たち、家庭的なホームでの暮らし犬の訓練は正規職員のドッグトレーナーが担当加藤愛さんはホーム長になって8年。入居者一人ひとりを気遣い、抱き合って声をかけている様子は、まさにアプルール秦野の「お母さん」。料理好きで明るくパワフル。「いつも元気なのは、好きな仕事だから!」株式会社アプルール運営本部長の西川敬司さん。アプルールは介護付き有料老人ホームを2つ、住宅型有料老人ホームを4つ、認知症対応型共同生活介護施設を1つ経営。ホームの中にはチャペルがあり、週1回は地域に開放され、礼拝も行われています(ホーム内での宗教勧誘等は禁止しています)。お茶の時間やレクリエーションの時間には、2匹のホーム犬もドッグトレーナーの小野さんと一緒に参加。入居者のだれもが、愛おしそうになでたり、抱っこをして楽しそう。 今回訪ねた「アプルール秦野」は小田急線渋沢駅から車で5分。美しい丹沢山地に囲まれて気候も穏やか、しかも都心から約1時間というアクセス抜群の利便性も兼ね備えている神奈川県秦野市にあります。 私たちがアプルール秦野を訪れると、建物前にあるドッグランのスペースではホーム犬のルルとターチが出迎えてくれました。庭にしつらえたピザ窯では、「今日のおやつ」のためのピザが焼かれ、香ばしい匂いが漂っています。 そしてホーム長の加藤愛さんが満面の笑みで出迎えてくださり、まるでホームパーティに招かれたよう。入居者29人とスタッフ、愛犬が一緒に暮らしている家庭的なシニアホームです。 アプルール秦野は愛犬とともに入居できるシニアホーム。入居者が先立っても、ホームで愛犬の世話を最期まで責任をもってくれるという、全国でもめずらしい制度が整っています。「愛犬とともに暮らせるようになったのは昨年6月からです。約10年前から犬と触れ合うドッグセラピーを実施していますが、動物がもたらす見えない力がシニア様に心の安定や癒しの効果をあたえることを目の当たりにしてきました。また愛犬と一緒の入居を希望されるシニア様が増えたこともあり、愛犬とともに暮らせるホームづくりを2年半ほど前から考えました」(運営本部長の西川敬司さん)。 愛犬と一緒に入居できるシニアホームはあっても、入居者が先立ってしまうと、残された愛犬は動物愛護団体に引き取られてしまうケースが多く、それでは安心して入居できません。そこで司法の専門家と相談し、信託の制度を使って飼い主が亡くなっても、愛犬たちがホームで終末期を迎えることができる仕組みを導入したそうです。 ホーム犬というのは施設で飼っている犬のこと。ホーム犬のルルとターチは、捨て犬として保護されていた施設から引き取りました。「保護犬の殺処分は大きな社会問題です。少しでも社会貢献しようと2匹33TSU NA GU TSUSHIN

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