つなぐ通信 Vol.18
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お座敷を見て一目惚れして花柳界に入ったんです明治から昭和にかけて繊維産業に寄り添い栄え衰退した八王子の花柳界。最盛期は200人以上だった芸者は、昭和60年代前半には一桁に激減。救世主となったのが、八王子花柳界としては20年ぶりとなる新しい置屋を立ち上げた、「ゆき乃惠」のお女将めぐみさんでした。あれから16年、若手も順調に巣立ち、八王子花街は新しい時代を進んでいます。何歳になっても学べる環境が自分を高めてくれるのでしょうね。 この世界に入ったのは、21か22歳の時だったと思います。花柳界の知識も持たず、きものが着られて、芸事のお稽古ができる芸者さんに漠然とした憧れを抱き、お気楽な感じで足を踏み入れました。サラリーマンの普通の家庭に育ったので、父は大反対。しかし結果的には一番応援してもらいました。 入ってから初めて花柳界の文化にふれ、芸者さんというのは女性として成長できる、たくさんのことが学べるすごい職業であることを知りました。それがなくなってしまうのは本当にもったいないと思いました。当時は若い芸者さんが一人もおらず、私が一番若く、その上は20歳以上離れていました。八王子の花柳界は、機屋さんなどが、織物の買い付けにいらっしゃる仲買人さんや問屋さんの接待や商談にご利用いただいており、そういう名残がずっと続いておりました。 それから15年経ち、所属していた置屋のお母さんやお客様から「置屋を持ったらどうか」というお話をいただきました。自分で置屋を持つことは考えたこともありませんでした。しかし、芸者を〝職Vintage Café17めぐみ「ゆき乃惠」女将はた や26TSU NA GU TSUSHIN

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