つなぐ通信 Vol.18
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 今号の表紙を飾り、木工クリエーターの対談が行われたのが「WALDEN(ウォルデン)」のショールームです。ここは典型的な織物工場をリノベーションした工房。天井が高く、ノコギリ屋根の北側の窓からは、柔らかな自然光が注ぎ、木組みをそのまま残した白い空間に置かれた木の家具が、心地よい空気を醸し出しています。「初めてこの建物を見たときは、ボロボロでお化け屋敷のようでした(笑)。でもとにかく木組みが凄かった。修理したら絶対魅力的になると思って、借りることにしたんです」 WALDEN代表の袴田大介さん(37歳)は、2010年八王子の楢原町にオーダー家具の工房を構え独立。ショールームを併設した工房が持ちたくて、約3年前に上野中町にやってきました。今でこそ都心から車で乗り付けるお客様の多い人気家具工房となりましたが、独立当初はほとんど注文がありませんでした。しかし「ネット社会」が幸いし、口コミで瞬く間に知れ渡ったのです。「オーダー家具は価格が高いので、お客様がネットでよく調べられるんですね。家具の写真や情報が一人歩きして勝WALDEN by Daisuke Hakamata暮らしは“人ありき”家具は“道具”だと思うだから家具で主張はしない袴田大介WALDEN〒192-0041東京都八王子市中野上町1-33-15Tel.042-621-4088http://walden-web.com/prole●1980年、静岡県浜松市出身。家具訓練校を卒業後、注文家具工房で経験を積み2010年独立。荒れ果てたノコギリ屋根の工場を心地いい工房にリノベーション家具設計・製作手に宣伝してくれました。過去に出た記事なども調べられて、僕よりも詳しかったりします」 WALDENは、テレビボード、つくりつけ収納や食器棚など、生活空間にとけ込むシンプルで木の質感を生かした家具が特徴です。「暮らしは〝人ありき〞で、家具はあくまでも〝道具〞。空間に付随するものと考え、必ずしも〝主張〞は必要ないと思っています。僕はあくまでもつくり手ですから」。ならはらまち23TSU NA GU TSUSHIN

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