つなぐ通信 Vol.18
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お客様が安心して修理を見られ相談できる環境を作りたかった壊れてゴミにはしたくないのできちんと修復して渡したいのです「僕はこういう古い世界観の大きな倉庫を探していたんです。よくある都心型のおしゃれな『ウエアハウス(倉庫)スタイル』ではなく、もっと〝衝撃〞をあたえるような空間。『修復工房』も併設させて、お客様にきちんと修理・修復の現場を見てもらえる環境をつくりたかったんです」 ヴィンテージ家具ショップのオーナー岡本道雄さん(40歳)が選んだ物件は、大型車が入れないような狭い路地の奥にありました。織物関連業者が機械の整備工場として使っていたもので、長いMICHIO OKAMOTO WAREHOUSEby Michio Okamoto岡本道雄いい家具を修復し、つくり手の想いも受け取り50年先の持ち主へとつなぎたい家具修復士インテリアコーディネーター間使用されておらず、草ぼうぼうの荒れ果てた状態。しかし岡本さんにはカッコよくリノベーションした今の姿が見え、自分の世界観を支持してくれているお客様は、問題なくこの場所に来てくれることを確信していました。 岡本さんが扱っているのは、1950〜60年代を中心にした北欧のヴィンテージ家具。毎年数回デンマークやイギリスなどに出かけ、2tトラックを運転しながら家具ディーラーの倉庫を回って買い付けてきます。地図にもないような道の奥から不意に現れる倉庫は実に魅力的でした。そういうイメージを追い求めていたのです。 古いものや雑貨に惹かれ、武蔵野美術大学の学生時代からスタイリストとして活躍し、12年前に独立。ヴィンテージ家具をただ販売するのではなく、外見は変えずに「修理・修復」してお客様に渡すのが岡本さんのポリシーです。扱っている家具は50年は経っているものばかり。ヴィンテージとしていい雰囲気を醸し出しているとはいえ、木が痩せたり、糊が剥がれていたりしてぐらつきが出てきます。 岡本さんは、50年も使われた家具の構19TSU NA GU TSUSHIN

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