つなぐ通信 Vol.18
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アトリエのしつらいにもものづくりの想いを込めて明治21年創業の、国内生産シェア70%を誇る帆布メーカー。「倉敷帆布」のほとんどが郷内地区に集まり、ここにたどり着く。帆布は厚みを増すほど号数が小さくなり、1~3号の極厚を織れるのはタケヤリだけだ。次のステップのため約6年前にファクトリーブランドを立ち上げた。リテールディビジョンの大岡千鶴さんと、枝松まな美さんが工場と関連会社の直営店「バイストン」を案内してくれた。自社ブランドを始めてからOEMが増え、デザイナーが直接訪ねてくることも多くなったという。無理だと思っていた「音の絵」も30分だけ取材可能になり、デザイナーの間野菜々江さんにもお会いできた。アンティークのしつらいが「音の絵」の世界観を醸し出す素敵な一軒家だ。アトリエ兼ショールームでは、間野さんがミシンでオーダー品などを制作している。刺繍レースを使った商品が特徴で、生地制作は近くの「丸山刺繍」が行う。西日本で唯一となった刺繍レース織機を持つ工場だ。職人の杉山憲正さんも来てくれ写真に収まってくれた。自立できるものづくりのために自社でしか作れない帆布で製品化昭和4年、染料店として創業。2代目の浦上俊二さんは、得意先の染工場が次々閉鎖したため、生地屋のサンプル染め専門メーカーに切り替えた。3代目の息子もいる。量産の染めはせずに、染めデータも惜しみなく渡してしまう。サンプル染めの利点を生かし、1-2mからでも染めを請け負ってくれるという。若手デザイナーをバックアップしたいし、彼らの感性が大いに勉強になるからだ。天然染めを教える「どんぐり工房」も始めた。取材では夕日の瀬戸大橋や金波銀波を見せたいと、鷲羽山に案内してくれた。若い人には児島の歴史や美しい景色、美味しいものにも触れてものづくりをして欲しいのだ。僕は浪花節の人間だから、もっと心でつくり、心で営業して欲しいんですよ株式会社タケヤリ〒710-0146 岡山県倉敷市曽原414Tel.086-485-1111株式会社浦上染料店〒711-0906 岡山県倉敷市児島下の町1-11-14Tel.086-473-0436音の絵〒709-0802 岡山県赤磐市桜が丘西1-9-7Tel.086-958-5278Present間野菜々江さんのエッセイ『夜中にミシンを踏みながら』を2名様にプレゼント!応募方法は37ページをご覧ください。Present倉敷帆布のタケヤリの手帳ケース(非売品)を3名様にプレゼント!応募方法は37ページをご覧ください。倉敷帆布といいたいこと言って写真=大社 優子 文=成田 典子織物のことや岡山の歴史などを伺いながら「石井織物工場」「タケヤリ」「浦上染料店」を案内してくださるという、なんとも贅沢な取材。児島は日本書紀にも出てくるくらい歴史が古く、遺跡や有名な神社も多い地域。半島に位置し、江戸時代には児島湾の干拓地に綿花を生産し、織物業や縫製業が発達。足袋、小倉織や真田紐などを得意としていました。   大正時代には学生服やユニフォームなどに転換して、日本の70%の生産シェアがありましたが、その後多くは中国生産へと移行。現在は高密度の厚手綿織物のノウハウを生かし、帆布やデニムの織布・加工・縫製の「ジーンズの産地」として知られるようになりました。各社の取材は紙面で少ししか伝えられないのが残念ですが、皆さんに共通しているのは、岡山や児島の織物の歴史や技術を誇りとし、それをぜひ知って欲しいと思っていること。だから産地に来る方をおもてなししたいのです。岡山のみなさん本当にありがとうございました。こ くらおりさな だ ひもついケンカしてしまうんじゃコラボしませんか

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