つなぐ通信 vol.07 2014秋号
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能作の真鍮の風鈴と、形が自在に変化する錫100%「曲がる器」(写真提供:能作)ウールの産地一宮を代表するニッケ(日本毛織)の学生服生地はスーパーブランドも採用①06TSU NA GU TSUSHIN 「日本人は生真面目で、なぜか外国人コンプレックスがある。値段交渉されたら、すぐ電卓を叩いてなんとかしようとするけど、これをやめてもらいたい。ちっともクールではない!(笑)手間暇をかけて美味しくした牛肉や果物のこと、プライドにかけて食品安全管理を守っていることなどを、きちんと説明すべき。だから高いんですよ、と」  そのためには、自分たちの作った素晴しいものをただ見せたり渡したりするのではなく、良さをきちんと説明する「コミュニケーション能力」と「プレゼン能力」を持つことが必要なのです。「日本酒も、海外で物産展のように県単位でパラパラやってもダメ。フランスワインがボルドーやブルゴーニュなど、各産地をアピールするように、日本酒も北海道から九州までを一同に並べて地域の魅力をアピールすべき。しかし日本酒もワイン感覚でスマートに展示したいので、吟醸酒の4合瓶に絞らせてもらいたいんですよ」 太田さんが力説するもうひとつは「地方発世界に」。成功例として、山口県の旭酒造(株)と富山県の鋳物メーカー(株)能作の話をよくします。 酒どころでもない山口県の小さな酒蔵・旭酒造は、お金も技術も市場もなく、倒産しかかっていました。どん底状態の時、自分の酒造りは小規模な仕込みでないと造れない純米大吟醸しかないと気付き『獺祭』を開発。小さな酒蔵であることが強みとなる逆転発想です。しかも杜氏がいなくても安定したおいしい酒が造れるように、数値化した科学的な酒造りを研究し成功。市場も地元で売れなければ、東京や世界を相手にしようとグローバルマーケットを目指しました。そこでフレンチのシェフや世界のソムリエが注目するようになり、今日の「世界の獺祭」に至っているのです。おまけするニッポンやめよう!誇りを持って売りに行こう地方発世界に!小さくても人を呼べる事業をサポートする地方から世界に持って行こうよ!おまけするニッポンやめようよ…だっさいとうじ 商品のパッケージ、陳列の仕方、アピールの仕方も含めて「クール」にやることが大事と力説。専門家がアドバイスし、プロデューサーもつけて支援するのがクールジャパン機構なのです。旭酒造の『獺祭』(写真提供:旭酒造)

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