つなぐ通信 vol.07 2014秋号
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05TSU NA GU TSUSHIN 「日本の魅力」ビジネスを資金・舞台・ソフト面で支援 社長に就任してから、この7〜8カ月で交換した名刺の数は千数百枚、講演・講義は月5回ペース、受けたインタビューは数知れず。クールジャパン機構のスポークスマンとして日本全国はもとより世界を駆け回っている太田伸之さん。一見不機嫌そうで、思ったことをズバズバいうので、怖い印象をうけますが、気がついたら話の魅力に引き込まれ、場は笑いに包まれています。きっと部下から慕われ信頼される上司なんだろうなあ…と、思わずにはいられません。クールジャパン機構の活動とその思いを伺いました。「我々がやる一番大事なことは〝カッコ良く〞日の丸を世界に掲げ、日本ブランドを広めることなんです。日の丸がカッコ良くたなびかないモノやコトはやめよう。 いいものでも〝寄せ集め〞になると美しく見えないし、個々がバラバラにやっていたのではインパクトを出せないでしょう」 日本人に足りないのは「伝え方と自信」だといいます。大事なことは「誇りを持って」世界に売りに行くこと。特に太田さんが講演で力を入れているのが「おまけするニッポンやめよう!」。● 写真=貝塚 純一・大社 優子 文=成田 典子 メディア・コンテンツ食・サービスファッション・ライフスタイル東南アジアを中心に「スカパー」が日本の番組コンテンツ(ニュース、アニメ、スポーツ、ドラマetc)を現地語で放送するメディア事業展開。東南アジア(シンガポール等)におけるジャパンフードタウンの事業展開。B級グルメなどの小規模な外食ベンチャーに資金援助と場の提供をしていく。中国寧波市(にんぽうし)における大型ショッピングモール事業をエイチ・ツー・オー リテイリング(株)などを中心に展開。日本全国の魅力ある商品・サービスを提供する。※写真はイメージです。クールジャパン機構の つの事業ディビジョンクールジャパン機構とは… クールジャパン機構は、クールジャパン戦略のひとつとして国の政策で作られた組織(正式名は株式会社海外需要開拓支援機構)です。政府と民間からの出資による「官民ファンド」で、「日本の魅力」を産業化し、世界市場で日本ブランドのシェアを広げたり、日本国内に外国人観光客を呼び込んでいこうとするのが狙いです。 海外進出しようとしている企業や、技術やソフトがあっても資金がない人たちを支援しますが、「助成金」ではなくあくまでも「投資ファンド」です。しかし一般の民間の投資ファンドは、短期で収益を上げ、投資者にたくさんのリターンを渡すというのが基本ですが、クールジャパン機構は、たくさんの利益は求めず、投資先がビジネスの芽が出て安定するまで長期的に面倒を見ます。資金だけを渡すのではなく海外の売り場を用意したり、売り方や陳列の提案、商品開発のアドバイスも含めてサポートするのが特徴。設立以来、多方面から相談が持ち込まれ、そのうち補助金や問い合わせなどを除き、複数の投資案件に絞って検討。3件が具体化に向けて進められています(2014年8月現在)。特に現在はアジア進出に力を入れています。パリ、ロンドン、ニューヨークなどで高級ブラン品を買う多くはアジア人。アジアにこそこれからのクールジャパンマーケット拡大の可能性があるとにらんでいるからです。現在アジア地域における3件の事業支援が基本合意されています©MIYAKO WAKABAYASHI©MIYAKO WAKABAYASHI©YOSHITAKA AMANO

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