つなぐ通信 vol.07 2014秋号
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30TSU NA GU TSUSHIN 左/ギター侍の異名をとるライフアーティストの宮川亮さんは元バンドマンで大人気。中/生の伴奏で皆で歌う楽しさ!自然に笑みが浮かぶ。右/ライフアーティストの鈴木いくよさんは元音楽の先生。美声で聞かせてくれる。思わず傍まで来て、一緒に歌う人も。上左2枚/レゴのプレイルームと図書コーナー。子供達の人気スポット。上右&下/この日、81歳の入居者に、小1のお孫さんが遊びに来ていた。「ばあばのところに、レゴをしにきたの!」と、彼にとって面会がより楽しいものとなっているよう。湖山医療福祉グループ 社会福祉法人白山福祉会特別養護老人ホーム ラスール麻生神奈川県川崎市麻生区白山1-1-3TEL.044-712-7722http://hakusan-fukushikai.com/dataそれを理解すれば、さほど問題はないと思います。ただ、家族介護は難しいのかなという実感はありますね。やはりご自分の親が認知症となると、心苦しい部分はあるでしょう。その点、私達は専門職なので、一息置いて受けとめられます」 実際、この日も歩きながら元気に挨拶なさる方がかなり重度の認知症と聞いて、取材班はビックリしました。「ホームにいると、よく歩かれる普通のおばあちゃまなんです。目的を持って歩かれているので、ペースを掴めば施設でのケアはさほど難しくありません。認知症の方に向き合いたいと意志を持つスタッフが多いのも、ケアがスムーズな理由かもしれませんね」 広畑さんにホームでの印象的なエピソードを伺うと、100歳を越えて看取った入居者のことを教えてくれました。「ご入居時はミキサー食しかお召し上がりになれない状態。ご本人はマグロが好きで、ご家族もぜひ食べさせてあげたいと。そこでケアマネー食べられるもの、ではなく食べたいものをジャーと言語聴覚士が協力し、亡くなる前にマグロを召し上がることができました。ご家族の協力のもと、最期までご自分らしい生き方をされたな、と。この経験から、〝食べられるもの〞ではなく〝食べたいもの〞を、というお手伝いをしたいと思いました」。 そして広畑さんは残された家族の気持ちにも思いを馳せます。「やはり特養はイメージ的に、ご家族は入れてしまったという重さを持たれがちです。でもご家族には後悔でなく、満足感を持っていただきたい。そのためには、ご家族とご本人の思いをいかに私達が汲み取っていくか。ご家族とよく話し合い、利用者の方の尊厳を守っていきたいです」。

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