つなぐ通信 vol.05 2014春号
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09TSU NA GU TSUSHIN 写真=貝塚純一 文=成田典子 撮影協力:カフェマメヒコ三軒茶屋店http://www.mamehico.com/location-time若さの秘訣はオシャレすることセンスは金では買えないね取材時は赤のシャツに20年もののツイードのジャケット。外に出るときはジャージーのプルオーバーを重ね、30年以上着ているというブルーグリーンのマウンテンパーカをはおる。ソックスはブルー系のマルチストライプと、実にうまい。奥様の節子さんは良きパートナー。一緒に出かけることも多い。 実は穂積さん、イタリアでアルマーニを着てみたことがあるそうですが「笑っちゃうほど似合わなかった」といいます。「トラッドは大きな流行の変化がないのでコーディネートしやすい。適当にやっても自然に合うようにできているんですよ。まあ商売柄、似合うものが分かるんですけどね(笑)」 『大人の男こそ、オシャレが似合う』という穂積さんの著書があります。1991年の60歳の時に書かれたものです。着こなしのアドバイスばかりではなく「男のオシャレと男の生き方」という普遍的な内容に説得力があります。「ある年齢以上になったらそれなりの身なりができなくてはならない」「年相応の服がピシッとキメられないようでは男は年をとる甲斐がない」と手厳しい。そして「シックな装いというのは、本来きわめて洗練された大人の感覚である」と、大人だから醸し出せる魅力を教えてくれます。「若い頃には『ああいう風になりたい』と思う素敵な大人がたくさんいましたね。けど今の日本はモテる女は若い子に限られているし、〝カワイイ文化〞で幼稚園化している。海外では大人の女はモテるけど、日本では男が恐れをなすのかな…」「年をとったらみんな似たような格好になってしまい、特に男の人はオシャレに関心が無くなってしまうのだけど、若さの秘訣は『オシャレすること』だね。オシャレしているとヨボヨボ歩けないし、背筋も伸ばして颯爽と歩こうとするでしょう」 穂積さんは着物もよく愛用します。「大人のキモノ入門」のウエブサイトも担当しています。着物のイラストを描いたことがきっかけで、小唄を習ったりと、着物を着る機会も増やし慣れていきました。オシャレばかりではなく、2006年頃からすでにブログを始めているし、フェイスブックでは600人以上の友達がいます。小説も書いたことがあったようです。とにかく興味のあることには躊躇ありません。 注目するのは、決してブランド志向ではないことです。いいと思えばユニクロを着たこともあるし、いいと思ってもブランドマークが目立ちすぎるものは着ない。「ブランド愛好者を軽く見るわけではないけど、センスは金では買えない。『センスが金で買えればラクなもんだ』という気持ちもあるね」

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