つなぐ通信 vol.05 2014春号
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33TSU NA GU TSUSHIN ホールには、レクリエーションで書いた書道や絵手紙など、居住者の作品が飾られている。市民ホールの文化祭に出展することも入居者の楽しみのひとつ。この日のレクリエーションはお手玉リハビリ。童謡や懐かしの歌を歌いながら、お手玉で遊ぶ。サクラメディカル(株)介護付有料老人ホーム幸楽壱番館東京都八王子市大横町2-17TEL.0120-15-9336www.sakura-medical.co.jpdataこのホームならではの自宅復帰プログラム受け入れ先が決まっていることは安心につながりますし、緊急の入院でもすでに病院が状態を把握できているのは大きなメリットとなります」 看護師の中重ふみ子さんは入居者30名と毎日接し、体調を把握しています。「毎日朝1回血圧、熱などを計り、状態を見ますから、いつもと違うとすぐわかりますね。どんな状態の方でもなるべく、ご本人の意思を聞くように心掛けています。寝たきりで瞼だけで反応する方がいらっしゃって、毎日お声がけしていたんです。そうしたら、ある時突然ニコーッと笑ってくださって。本当に嬉しかったですね」 このホームのユニークな点は、自宅復帰プログラムがあることです。「ホームに入ったからといって、100%一生そこで過ごさなければいけないわけではないと思うんです。ただし、ホームは籍があるだけでかなりの料金が発生してしまうもの。ご自宅に帰って本当に生活できるかどうか、ご本人もご家族も不安があるものです。そこで籍を置いたまま、月約7万円のご負担で2カ月間を目安にご自宅へお帰りいただける制度を作りました」と木村さん。 自宅復帰を目指す人は約1年ぐらいをかけて用意をします。入居後、約1カ月ぐらいリハビリをして先を予測。その上で、ケアマネージャーがどのように自宅の環境を整えるべきか、介護保険の利用の仕方を含め、提案してくれます。「ホームではこういう動線でトイレに行っているから、同じことが自宅でできるように、たとえば手すりをつけるなどの提案をします。環境さえ整えば、復帰できる可能性を秘めている方はたくさんいらっしゃいます。ご入居者本人も、自宅に帰るという目的があることで、リハビ写真=貝塚 純一 文=三浦 真紀リにも前向きになれます。昨年は2名が自宅復帰なさいました」 レクリエーションも豊富で、絵手紙や生け花など、外部から先生が定期的に訪れます。外出も盛んで、浅草の散策や山梨への旅行も。「外出はひとつの目標と考えています。もちろん気分転換でもありますが、旅行に向けてリハビリや体調管理をしましょうとなると、ご入居者は俄然やる気が出ます。その前向きな気持ちを大切にしたいです」

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