つなぐ通信 vol.05 2014春号
18/40

18TSU NA GU TSUSHIN すでにクリエーションの受け入れ体制はある 工場内を取材・撮影して感じるのは「とにかく人が温かい」こと。これは従業員同士が頻繁に行っている「飲みにケーション」効果ではないかと思いました。しかも下戸である小島社長がほとんど参加しているというのです。140余年続くということは、いい人間関係が続いているということです。「伝統を受け継ぐ技術に新しい時代の感性を吹き込みたい。そのためにはクリエイト志向を持つ方達が国内外から集い、ここから発信する場所にしたい」とする小島社長は、工場内を固めながら、しっかりと受け入れ態勢を作っているような気がしました。1「綛染め」をするために、綛に糸を巻く作業。下に綛が巻かれている。23すでにヴィンテージとなっている「シャトル織機」にこだわり、機械を調整したり修理しながら織り上げられる。4シャトル織機の数には圧倒される。5ドビー柄をパンチカードで打ち出す機械。かなり希少品。ショールームも兼ねたショップ。4月19日・20日には「藍染め市」を開催。左/剣道着に使われる刺し子織り。染めも織りも行う。商社マンだった小島社長は英語も中国語も堪能。ンマーなど様々な国にあるので日本独自のものではないんです。しかし日本は絞り染め、型染め、絣や刺し子織りなど、染めや織りで技術や美意識の高い独自の藍染め文化を生み出してきました。この素晴しさを、世界の人たちにも味わって欲しいのです」 しかし小島社長は、技術を競い合うような「工芸」で終りたくないといいます。海外での展示会や商談では、小島染織工業の技術の高さは認められますが、それを今の服やライフスタイルにどうやって落とし込んでいくか…そこがいつも壁になります。これは伝統技術を継承している多くの工場が抱えるテーマでもあります。 そこでまず、たくさんの方に自分たちの技術や製品を見ていただくことを考えました。今まで取引の少なかったアパレルのテキスタイル展に出展したり、生地以外にも雑貨やシャツなどのオリジナル商品を開発。ショールーム兼用のショップを開設したり、年3回工場敷地内で「藍染め市」を開催し始めました。藍染め体験、生地や端切れ販売など、一般の方に藍染めに親しんでもらえる機会を増やしたのです。PRESENT手芸ファンには嬉しい「刺し子織り」1種「青縞」2種からいずれかの藍染め生地を10名様にプレゼント!詳しくは37ページをご覧ください。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です