つなぐ通信 vol.05 2014春号
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17TSU NA GU TSUSHIN 写真=貝塚純一 文=成田典子 藍は湿度や温度調整しながら熟成・発酵させることで染料になる。熟成した藍には見事な「藍の華」が咲く。染料は長年継ぎ足しながら使用されており、伝統工場ならではの味わい深いジャパンブルーが生み出される。武州正藍染の特徴を受け継ぐ「綛染め」の作業。機械を使って行うが、染まり具合を確認しながらの手作業が多い。藍は空気にさらし酸化させることで青くなるため、染めと空気にさらすことを繰り返しながら濃い色に染めていく。天気のいい日は外で天日干しにされる。 現在43歳の小島秀之さんが5代目社長に就任したのは34歳のとき。大学卒業後に商社マンとなり、いずれ家業を継ぐ予定でいましたが、11年前に父親が他界したことがきっかけとなりました。工場では、剣道着や作務衣、祭り半纏などを主力にした染織を行っていました。しかし小島社長は、同じ業種の同じような生地を作り続けることに限界を感じ始めていました。 「藍染めはインド、中国、タイ、ミャ藍染めは日本が世界に誇る文化だからカッコ良く広めたいすあおじまあいがめさむえばんてんと「青縞」という独特の縞模様が現われます。これが趣のある染めとして珍重されてきました。 小島染織工業も創業当時は天然藍による伝統的な手染めの「正藍染め」を行っていました。その後、藍染めに量産化・均一化が求められる時代となったこともあり、きれいに均一に染められる合成インディゴ染料を用いたり、手染めと機械染めを併用した量産向けの新しい技法を開発していきました。現在も藍瓶を使った正藍染めは技術として継承してはいますが、生産のほとんどは伝統的なものを残しながらも新技術を併用させて量産できるものです。

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