つなぐ通信 vol.05 2014春号
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11TSU NA GU TSUSHIN 写真=貝塚 純一 文=成田 典子 ワインで人と人をつなぐ奇跡の古民家ワインバー「お静」上/グラスワインは300円~。生ハム・サラミ・チーズ盛り合わせ1,500円。囲炉裏や鉄板でも料理を楽しめる。右/テーブルは長年使っていた丸い飯台に足を付けたもの。ビロードの椅子も昔の小さい日本サイズ。店に一歩踏み入れると、レトロな空間に息をのむ。お気に入りのワインボトルがずらりと並び、手動の現役レジスター、祖父や祖母、両親などの思い出の品々がさりげなくある。両親の代から通っていた「もんじゃ松竹」が「お静」で復活。月島のもんじゃのように“土手”は作らない。秘伝のソースに、魚肉ソーセージなどが入る。松竹スペシャルもんじゃ380円。David、裕文、真司の頭文字を取った「DHSトリオ」のジャズライブに盛り上がる。昨年亡くなったお母さんは、お客様を大切にし、常連様とわいわい楽しくするのが大好きだったという。オーナーの平山隆一さん。息子の亮さんも店を手伝う。「お静」は祖母の名前。かつて神田で同じ名前の小料理屋をやっており、その名前を50年振りに復活させたもの。お母さんが神田の「お静」を手伝うために調理師免許をとった。にしたいと思ったからです。 平山さんは、あくまでも「人の気持ち」を大切にしながら「ワインと料理のマリアージュ」をアドバイスしてくれます。これが実に心地良く、特別な宣伝もしませんでしたが、口コミでお客様が広がり、音楽などのイベントも行われるようになりました。取材した日はDHSトリオによるジャズライブを開催。「お静」ファンが集まり、大いに盛り上がった一夜となりました。 メニューには「絶品!」と大人気のサンダニエーレ産生ハムもあれば、昔ながらの懐かしい「駄菓子もんじゃ」もあります。向島で70年余り営業し惜しまれて閉店した伝説の「もんじゃ松竹」そのままの味です。今の子供達にもこの味を伝えたいと、お願いしてタレを引き継ぎました。地元の心の故郷に寄り添う温かなワインバーです。 「お静」は、紹介するのをちょっとためらうくらい「独り占め」したい店です。まるで昭和の初めにタイムスリップしたような店内には、年代物の棚にワインや酒類がぎっしり。戦時中の金属類回収令にも隠し通したという手動のレジスターも現役です。この家で仕立て屋を営んでいたお祖父さんが「絶対捨てるなよ」といった椅子やズボン掛けは、お得意様だった伝説のプロレスラー「力道山」専用のもの。鋳物のベーゴマ、日本人初の大リーガー、マッシー・ムラカミのサイン入りバットなど、数々のお宝にワクワクします。 オーナーの平山隆一さんの本業はワインの輸入商。当初ここはワイン販売店でしたが、お酒も飲める店にしようと約8年前にワインバーも始めました。 店内ではワインを購入でき、ボトルを小売価格+500円の格安で飲むことができます。思い出のたくさん詰まった自宅をワインバーにしたのは、ワインの奥深さを「人と人とをつなぐ潤滑剤」PRESENT「お静」の平山さんセレクトの3種のカリフォルニアワイン(協賛:ワイン イン スタイル)をそれぞれ3名様にプレゼント!詳しくは37ページをご覧ください。Mukoujima

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