つなぐ通信 vol.05 2014春号
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TSU NA GU TSUSHIN 大人のまち物語第五章﹇向 島﹈戦後の昭和が残る職人とものづくりのまち人を迎え、つなぐ街 観光名所スカイツリーのお膝元墨田区向島。隅田川の東岸は「墨東」とよばれ、江戸時代には葦が鬱蒼と生い茂る未開地や江戸に農産物を供給する農村地域でした。将軍徳川吉宗が墨堤・向島に百本の桜を植えてからは江戸庶民の行楽地として繁盛。現在も桜の名所として賑わっています。 しかし明治の近代化で一大工業地帯に変貌。戦後は大空襲による焼け野原からの再出発となり、逞しい町工場が日本のもの作りを支えてきました。向島界隈には全国から集まった職人が多く住み、「職人の誇りは人情にあり」と、強い絆を築いてきたのです。 向島には、近代的な建物を見つけるのが困難なほど、終戦後の昭和が残っています。いまだ木造や年季の入ったモルタル家屋が多く、これをリノベーションしたカフェやレストラン、シェアハウスが人気を呼んでいます。そんな中に大空襲にも焼けず奇跡的に残った、木造家屋があります。ワイン屋「お静」。築90年近い自宅を改装したワインショップ&バーです。●お静東京都墨田区向島5-17-6☎03-3626-168618:00~22:00※完全予約営業(お電話でお申し込みください)定休日:土・日・祝10曳舟駅◀至浅草◀国道6号線東向島二丁目東向島一丁目隅田川◀首都高速6号向島線◀墨堤通りはとのまち商店街スーパーあずま天ぷら花月向島三丁目東向島珈琲店WINE SHOP & BARお静玉の井を舞台にした永井荷風の『濹東綺譚』でも知られる向島は小さな町工場がひしめき、職人も多く住む土地でした。仲間の絆が強く、人情が厚い。その気質は今も引き継がれているのです。ぼくとう き だんうっそうぼくとうぼくむこうじまへんていぼうたくま

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