つなぐ通信 vol.04 2013冬号
12/40

12TSU NA GU TSUSHIN フイルムキャップを利用して水玉に染めたTシャツ。制作ボランティアさんは基本は教えるが表現は本人の自由に。 1983年、「障害者の仕事場を作ろう」という竹ノ内睦子さんの強い思いで「藍工房」は生まれました。藍染めからスタートし、現在は刺し子、組み紐、陶芸、さをり織りなどが加わり、自分の好きなものを、自分ができる時間に来て自由に制作しています。 メンバーにはハンディを言い訳にしないでプロとして仕事をしよう。世界に通用するものを作ろうという高い志を掲げ、「みんなは作家さんや職人さんよ」とプライドを持たせます。自分の作品が売れると7〜5割が収入になるので真剣です。よく売れるチャリティコンサートに狙いをつけて制作している方、技術を教えられるほどの10年選手など意識やレベルの高さに驚きます。 竹ノ内さんは「どんどん自分を表現して欲しいの」と、メンバーを海外に連れて行ったり、海外で展示会をしたり、一流作家との出会いも多く作りました。技術を学ぶだけではなく、人格や体験からも学んで欲しいからです。色彩豊かな組み紐やさをり織りを得意とするベテランさんの作品。●藍工房東京都世田谷区若林5-2-9三喜ビル1F~3F開所日:月~金利用時間:9:00~16:00http://www.aikobo.or.jp/☎03-3412-1366組み紐、刺し子、藍染めなど自分の好きな伝統工芸で制作した作品。絞り染め、カゴ染め、板締め、ろう描きなど、制作中の藍染めTシャツ。藍染めは染める時間や回数により色の表情が変わります。現在はハイドロ建てで行われている藍がめ。藍が発酵して元気です!刺し子や藍染めなどレベルの高いもの作りをする岡部さん。「差別化しないとね」と独自性にこだわり制作。12月3日のNY国連本部での展示会に向けて、メッセージ用のタペストリーを制作中。2013年12月3日の国際障害者デーで竹ノ内理事長はNY国連本部でスピーチをし藍工房の作品展も開催。夢は世界へと!「藍工房」の作家たち 生活支援員の勝田恵さんは当初「一般社会では合理性や利益追求が常識ですが、ここでは効率よりも 人の気持ち を大切に進んでいくのでカルチャーショックでした」といいます。竹ノ内さんは、福祉を志す若い方達に「障害者を可もなく不可もなく、ただ見守ればいいという従来のハコモノ的考えから一歩踏み出して欲しいの」と話します。福祉に関わる人こそもっと豊かな人間であるべきという思いがあるのです。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です