つなぐ通信 vol.04 2013冬号
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11TSU NA GU TSUSHIN 写真=貝塚 純一 文=成田 典子 理事長の竹ノ内睦子さん。ご自身もがんの手術の後遺症で車イス生活。次の目標はフランスに藍工房を開設することと、障害者の老人ホームを作ること。まだまだ夢を実現させていきます。6月にお母様の誕生会に利用された安倍首相。ご自身のfacebookにもアップし37,000人のアクセスが!隣りにはウエイトレス姿の工藤はるかさんが誇らしげ。障害者の働く場所を作ろう!個人の思いや夢を実現させたい 1981年、普通の主婦だった竹ノ内睦子さんの人生を大きく変えたのは、「仕事がしたい、働く場がない」と切実に訴えた脳性麻痺の小高恵子さんとの衝撃的な出会いでした。体中に電光が走りました。「小高さんの働く場所を作ろう!」すべてはこれが始まりでした。   障害者の仕事と言えば、袋詰めのような単純作業が当たり前だった時代、竹ノ内さんは ①素晴しい日本の伝統工芸を伝承していく ②世界に通用するもの作り③個人の夢を実現していくという大きな3つの目標を掲げました。障害者も健常者も「評価され、喜ばれる仕事をしたい」という思いは同じ。個人を尊重し個人の夢のために動こうという強い決意をもって1983年、藍染めの「藍工房」が発足されました。 メンバーには体験から学んで欲しいため、アメリカに「Aikobo USA」を開設したり、精神障害者のグループホーム「藍工房ハウス」を設立しました。すべては障害者の「こうしたい、こんなものが欲しい」という希望や夢を叶えるために一生懸命動いたのです。お金はその都度知恵を絞り工面しました。売り上げを上げてみんなの給料に反映させたいの 工藤はるかさんの夢は「素敵なレストランのウエイトレスをすること」でした。しかし障害者を雇ってくれる一流レストランはなかなかありません。ようやく見つかったのは厳しい条件を出した銀座のレストラン。工藤さんはそこで3年8カ月頑張りました。そして竹ノ内さんも諦めず、運営していた「藍Café & Gallery」を、2009年フレンチレストラン「アンシェーヌ藍」としてリニューアルさせたのです。 以前東京會舘でシェフを務めた尾原寛さんを調理長に迎え、料理はもちろん、フレンチのテーブルマナーなども根気よく指導していただきました。工藤さんの夢が叶ったのです。レストランのオープンには工藤さんが以前勤めたレストランも大きな支援をしてくださいました。「私たちの努力勝ちだね」と、二人は嬉しそうに笑います。 しかし「アンシェーヌ藍」は、生きる自信を取り戻す「通過点」。できるだけ他で就職することを願っています。「もしつぶれてしまったらまた帰ってきてね。いつでも戻れる場所があるからね」と送り出します。すべてのメンバーは竹ノ内さんの「子供」なのです。店内にはハープが置かれ、木曜日のランチタイムに演奏される。3・11にインスパイアされて制作した刺し子のタペストリー「つなみ」。作家としても才能を花開かせた工藤はるかさん。このあと、NYの国連本部やパリでも展覧会を予定。工藤はるかさんの展覧会「工藤はるかの世界」工藤はるかさんの展覧会「工藤はるかの世界」PRESENT「藍ランチ(お1人1,365円相当)」のペアお食事券を2名様にプレゼントします。応募方法は37ページをご覧ください。

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