つなぐ通信 vol.03 2013秋号
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18TSU NA GU TSUSHIN コース作りに四苦八苦。自分の足で道をつなげる 今、すべてにおいてシステム的に便利になりすぎていると思うんです。人間って多少不便でも生きていけるんですよ。ここも1週間ぐらい電気が来たり来なかったりという時がありましたが、薪ストーブでパンや料理、すべて調理していたら、ひと冬ガスを使わずに生活できました。本当は竃を作り、火を焚くところから始めて、ゆっくり調理し、食べて、日が落ちるとともに寝る生活をしたい。パートナーのペースケと「なるべく近い将来、完全自給自足をやりたいね」って言っています。ハイテクで便利なものを持っていたとしても、上手く使うバランスを覚えたい。 これまでもいろいろやってきたけど、人生これからだと思うんですよ。今まではまだ助走。枯れてきてからがちょうどいいなって。 同時期、富士山麓を一周するレース、ウルトラトレイル・マウントフジでは実行委員として奔走するようになりました。それまでは「仕事しませんか?」「はーい」と、すべて受け身でやってきましたが、立場逆転。実現するために、地権者の方、国や県などの自治体など300軒ぐらいを自分の足でお願いして回りました。まずコースを作ることが大変なんです。富士山という特別な土地、10の市町村、2つの県とそれぞれ思いが違うので、、どうやったらまとめられるのか。 道は自分たちで探すんです。地図を眺めたり、山の茨の中を四つん這いで進みながら、一本一本。地権者の許可を取り、ダメなら他の道を探す。100本道があったら、それぞれに歴史があり人が絡み、とても面白い。ポツンと石碑があって、調べてみたら昔の人距離161km、累積標高9,000m、地元2県10市町村の協力により開催される日本初の100マイルトレイルレース。世界最高峰のウルトラトレイル・デュ・モンブランとの姉妹大会としても知られる。2012年から年1回開催。コースは富士山麓を一周する「ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)」と半周する「静岡から山梨(STY)」の2つ。2013年4月の第2回大会はUTMF1,079人 STY1,058人(40カ国からの海外選手269名を含む)、計2,137人がエントリー。次回は2014年4月25日~27日に開催。国内在住選手は10月1日~15日にエントリー。参加条件等、詳しくはHPへ。http://www.ultratrailmtfuji.com左/広々としたガレージにはバイクが一台。レースをしていた名残があちこちに見える。中/カフェの壁は、レースで活躍していた三好礼子さんの思い出の品々が飾られている。ずらりと並ぶのは参戦したラリーのナンバー。右/満面の笑顔が美しい!パリダカールラリーの時の三好さんの写真とライディングスーツ。ダイニングテーブルはアフリカ大陸の形。パリダカールレースのコースが異なる色の木で嵌(は)め込まれている。PRESENT三好礼子さんサイン入りポストカード「FUJISAN 富士山ありがとう(vol.1)」11枚セットを5名様にプレゼント!応募方法は37ページをご覧ください。が使っていた古道だったり。大きな穴?と思ったら、第二次世界大戦の終戦寸前に10代の若者達が戦車の訓練をしていた道だったこともありました。この戦車道を外国選手が一生懸命汗流しながら走る姿を見ていたら、これこそ真の国際交流だと感激しましたね。便利でなくても生きていける。目指すは完全自給自足かまどウルトラトレイル・マウントフジUTMFとは?

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