つなぐ通信 vol.03 2013秋号
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15TSU NA GU TSUSHIN はマシーン自体がとても重いので、本体が揺れず安定感があり、文字を打つと『パチッ』と決まります。個人的に一番好きな感触はオリベッティのLEXIKON。イタリア製の業務用で、感触がとても小気味よく、『ピシッ』と気持ちいい」 日本車とイタリア車・ドイツ車・アメリカ車では運転した時の体感が違う、そんな違いがタイプライターにはあり、理由を探ると構造はもちろん、生産国の文化や背景に辿り着くとも。 「パソコンでは味わえない風情や感触、アナログ感を現代に蘇らせたい」稲垣さんの取り組みは続きます。古い欧米の映画やドラマのオフィスシーンにたびたび登場するのがタイプライター。最近ではロシア・スパイ事件でも話題に上り、まだまだ欧米では愛用する人たちも健在とか。古いタイプライターを現役に戻す、そんな愉しみをご紹介します。埃と錆で汚れたキーボードがピカピカにOlivetti Praxis 48 Olivetti LEXIKON 90cOLYMPIA Traveller de LuxeBrother EX630まだまだ欧米では愛用する人たちも健在とか。まだまだ欧米では愛用する人たちも健在とか。Olivetti STUDIO 44IBM Selectric II IBM Selectric II with Mag-card(記憶装置) 古いタイプライターを現役に戻す、古いタイプライターを現役に戻す、そんな愉しみをご紹介します。そんな愉しみをご紹介します。埃と錆で汚れたOlivetti Lettera 22左/修理前のタイプライターのキーボード。埃で煤けて文字は見えづらく、金属部分には腐食しているところも。右/修理後。腐食を直し、ガラスが嵌め込まれたキーをひとつひとつ丁寧に磨いた。文字はくっきり。まさに現役で活躍できる風貌だ。上/ADLER30のアームと活字部分。アームがまっすぐに出てくる独特の機構。上下2種類の活字はシフトキーで切り替える。中/ほれぼれするほど緻密で美しく並んだアーム部分。稲垣さんがタイプライターの中身に夢中になったのも納得できる。下/1960年代に登場した電動式タイプライターの活字部分であるタイプボール。このタイプボールを取り替えることで書体を替えられるようになった。IBM Selectric Ⅱに搭載。1960年代になると電動式タイプライターが主流に。IBMがタイプボールを採用、記憶できるなど、後のワープロにつながるシステムが備わる機種も。コレクタブルリボンが付き、文字の修正も可能になった。デザインも素材も現代的でシャープに。イタリアのオリベッティは、有名デザイナーを採用し、デザイン的に優れたタイプライターを生み出した。Lettera 22はマルチェロ・ニッツォーリがデザイン。ポータブルで、特にジャーナリストに愛用されたという。電子式タイプライターが登場。本体にバッファメモリーなどを備え、文字の配置や修飾が可能になるなど、機能を充実させ現代に至る。現在でも販売されている国産メーカーの機種。多機能で複雑な文書も簡単に作ることができる。美しい文字をたたき出す活字スタイルうになった。IBM Selectricうになった。IBM SelectricⅡに搭載。エットレ・ソットサスのデザイン。マルチェロ・ニッツォーリのデザイン。エリオット・ノイスのデザイン。エリオット・ノイスのデザイン。バッファメモリーなどを備え、文字の配ど、機能を充現在でも販売されている国産メーカーの機種。多機能で複雑な文書も簡単ほこりさび

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