つなぐ通信 vol.06 2014夏号
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03TSU NA GU TSUSHIN 写真=貝塚純一 文=成田典子 浅草靴物語挑戦する靴職人たち特集浅草を訪れると靴屋さんが多いのに気づかれるかと思います。浅草は「靴の街」として、革靴の生産量や産地の規模では日本一。メーカー、問屋、販売業、資材業、研究機関や学校など革靴に関わるあらゆる情報が集積した地場産業なのです。現在は台東区を中心に、足立区、墨田区、荒川区、葛飾区に工房が集中。東京近郊までメーカーが広がっています。しかし神戸のケミカルシューズや安価な海外生産の靴、高級な海外ブランドに押され、浅草の靴は斜陽産業化。大量生産の流れは「手製靴職人」を空洞化し、一時絶滅の危機。これを救ったのが90年代半ばに起きた若者の手製靴ブームでした。技術や精神をつないだアラフォー世代の職人が頭角を現してきたのです。今回取材した3人の職人さんは、それぞれの立ち位置は違っても「愛着の持てる既製靴を作りたい」という思いは同じ。使い捨ての大量生産の靴ではなく、修理しながら長く履き続ける靴。手製靴の良さと既製靴の良さを兼ね備えた靴への挑戦です。Teppei YoshimiTeppei YoshimiKimihiro HashimotoKimihiro HashimotoKo SodaKo Soda

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