つなぐ通信 vol.04 2013冬号
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16TSU NA GU TSUSHIN 工場・工房探訪八王子「澤井織物工場」「手がかかるものを作らないと、つまらない」古くから養蚕や織物が盛んだった八王子に百年以上続く織物工場には伝統織物と、デザイナーズブランドを手掛け「作品を量産にしていく力」がありました。父の榮一郎さんは、長い歴史を持つ八王子の織物の伝統を引き継ぎ、「多摩織」として伝統工芸品の指定をうけるまでに高めた功労者の一人。伝統工芸品の検査に合格したものには伝統マークの「伝統証紙」が添付される。東京都八王子市高月町1181Tel:042-691-1032Fax:042-691-1729※「多摩織着物プロジェクト」のお問い合わせも上記へ。1950年生まれ。東京都八王子市出身。伝統工芸士・(有)澤井織物工場の4代目代表。「多摩織」という伝統工芸品と最先端のデザイナーズブランド品の両方の表現ができる希有な人物。妻の恵子さんも伝統工芸士として「多摩織着物プロジェクト」の指導をしている。(有)澤井織物工場伝統と斬新を織る。多摩織とデザイナーズブランドを操る伝統工芸士 かつて「桑都」と呼ばれた八王子北部の、緑豊かでのどかな一画に「澤井織物工場」はあります。澤井伸さんは、養蚕をしていた初代から数えて4代目。「多摩織」という伝統工芸品を織る伝統工芸士であり、国内外のデザイナーズブランドからの注文も多い織物工場の代表でもあります。 八王子の織物は、江戸という巨大市場を背景に織物の種類が多い「多品種産地」として発展してきましたが、第二次世界大戦で壊滅的な打撃澤井 伸さん 恵子さん母屋は明治25年に立てられたもの。そうとようさん写真=貝塚純一 文=成田典子 

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