つなぐ通信 vol.02 2013夏号
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12TSU NA GU TSUSHIN 飯田さんは偉いですよ。ほんというと私が教えたのでなく、傘を作りたい一心で自分で研究して覚えたのです。私はただやり方を見せただけ…と鎌田さんは語ります。傘作りを教えて欲しいと訪ねてくる若者は多いけど続かないのだと。素敵な着物生地に出会うと豊かな気持ちになれるの ハマ 洋傘店の鎌田智子さんを一躍有名にしたのは、2006年NHKで放送された「にんげんドキュメント・日傘こころ模様」。古い着物から日傘を作る様子が紹介され、全国から電話が殺到。お店の外には傘を依頼するお客様の長い列ができ、次々と送られてくる着物で店の中は身動きできない状態。当時は日傘ができるのに3年待ちといわれていました。しかしさすがにこのままだと、お客様からお預かりしている大切な着物にもしものことがあっては申し訳ないと思い、途中からは手紙を添えてお返ししたといいます。 鎌田さんの元に送られてくるのは母の形見の着物で作って欲しい、法事で形見分けに使いたいなど、思い出のたくさん詰まった着物です。手紙が添えられているものもあります。着物は生地そのものの良さを活かして使うことができ、1着で2本の日傘ができます。「いい着物の柄と出会うと豊かな気持ちになれるんです。日本でこれだけ進んだ和服文化があったということは、本当にすごいですね」と、全国から集まる生地にワクワクしています。鎌田さんは傘作りが大好きで、今でもほとんど無休状態。仕上がり初めて生まれた子どもを見ていただこうと家族でご挨拶に伺った飯田さんとツーショット。二人の交流は家族のようにずっと続いています。三鷹「ハマヲ洋傘店」どんな素材も傘にしてみたいから「できません」とは言いたくないの。失敗は一度もないのよ。『日傘こころ模様』小堺正記著:小学館プロダクション著者はNHKで放送された「にんげんドキュメント・日傘こころ模様」のプロデューサー。鎌田智子さんの感動の物語です。

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