つなぐ通信 vol.01 2013春号(創刊号)
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05TSU NA GU TSUSHIN  『つなぐ通信』創刊号の表紙を飾ったのは、高橋潤子さん愛用のふきん。麻や綿のものなど約100枚ほどを持っているふきん愛好家であり、毎日10枚以上を使用しているといいます。表紙の写真には、洗いざらしの気持ち良さそうなふきんが積まれています。なかにはかなり色褪せたふきん、デザインや機能に優れた作家ものや、アンティークの食器類。もちろん普段使いです。グラフィックデザイナー。日々の暮らしを楽しみながら仕事をするのがモットー。夫はイラストレーターの北谷しげひさ氏。2人の息子もアートの道へと進んでいる。日差しがたっぷり入るリビングのソファーは、愛猫モボちゃんのお気に入り。ソファーカバーもいつも洗濯が行き届いて、気持ちいい白さです。気に入ったふきんは2枚買い、1枚は記念にとっておきます。これは20年近く使っているフランス製のチーズクロスのふきん。生成りでバリバリだったクロスが真っ白なガーゼのようにふんわりと!使用前・使用後の違いに驚きます。ふきんは海外に出かけた時に買い集めたものが大多数。写真左/使ったらすぐ庭で干して太陽殺菌する20年以上使っているまな板。丸いのはご主人がニューヨークで買い求めたもの。写真右/コーヒー好きの高橋さん愛用の専用ポット。黒くなった金属の鍋敷きもいい味出しています。清潔に使い込んだキッチンクロスはふんわり色白になって、勲章もの! 1 KITCHEN CLOTH & TOOLJunko Takahashi高橋 潤子さんここまで使われたら幸せ者と思えるような、透けてガーゼ状なった新婚旅行先のパリで買ったものもあります。けれど、シミは全くありません。 高橋さんは特にキッチンリネンが好きだといいます。麻は吸水性が高く、とにかく丈夫。繊維がグラスに残りにくいという利点もあります。唯一の欠点は、最初はゴワゴワしていて使いにくいこと。そこで使い始めは、洗った食器の下敷きにするなど徐々に馴染ませていきます。そうして風合いがいいあんばいになったらふきんとして使用するのです。ゴワゴワで色黒だったキッチンリネンは、使い込まれふんわり色白美人に。いいものは「一生もの」ともいわれ、使い込む程にどんどん風合いが良くなるのです。 いいものを選び大切に最後まで使い切る暮らしは高橋さんの回りにたくさんあります。右ページの写真は20数年使用している南部鉄のフライパン。左の丸い形は、お好み焼きやガレットを作るための必需品です。アルミの蓋は、以前ご飯を炊いていた「文化鍋」のもので小さなフライパン用に。結婚当初のものなのに、磨かれてピカピカです。作った人も、作られたモノも、使う人も喜ぶ暮らしがあるなあ…と思いました。

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