つなぐ通信 vol.01 2013春号(創刊号)
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29TSU NA GU TSUSHIN うらいふ世田谷の大きな特長に、厨房が各フロアにあり、それぞれ専任のフードスタッフがいることが挙げられます。「厨房とダイニングがくっついているので、音と匂いが伝わります。カレーを作ればすぐわかるし、焦がしたらその匂いも(笑)。家庭と同じですよね。夕ご飯は選択制なので、シチューの匂いがすると、『私シチュー頼んだかしら?』と心配される方も。そういう時は必ず確認して、もし違ったら『今回は残念。次回は召し上がっていただけるようお声がけしますね』と約束。このようにご入居者の方とはよくお話ししますね」と井上さん。 料理には井上さんのこだわりが隅々まで活かされています。 「まず見た目。極刻みやミキサー食など、形態が変わると普通の食事と同じようには盛りつけられません。それでも野菜ごと、または肉と野菜をわけて3色にするなど、色合いや美しさを考えています。器も基本は陶器。なるべく軽くて指がひっかかりやすく使いやすいものを選びます。 もうひとつ、温度と鮮度は大事にしています。できるだけ出来立てをお出しする。揚げ物は熱々を、お刺身は時間に合わせてギリギリで盛りつける。忙しいからと事前に盛りつけておくことはしない。そこは徹底しています」芦花公園近くの閑静な住宅街に位置する「ゆうらいふ世田谷」。一人ひとりの生活スタイルを大切にした中庭を囲む、モダンでゆったりとした建物。そしてスタッフの質の高さ、ケアの手厚さが魅力です。スタッフのみなさんにお話を伺いました。大人気のフルーツ&デザートバイキング。和洋中のデザートや変わった輸入物のフルーツもずらりと並ぶ。ゼリーやババロアなど口当たりの良いものも。1時間前からワクワクして、皆さん集まってくるそう。食事は毎日の喜び美しさ、食べやすさ、器にも細心の工夫を凝らします。ゆ写真=貝塚 純一 文=三浦 真紀 年配の方向けには、堅さも気をつけたいところ。「タケノコやゴボウの堅い部位は水煮にして油で揚げ、油抜きしたものを煮るなど下処理をしっかり。お肉は下ゆでをしすぎず、何工程かにわけて中まで火を通す。手間はかかりますが、適度な柔らかさになるように」 以前はイタリアンレストランやズーラシアで、一般食を作っていた井上さん。ゆうらいふ横浜で初めてホームの食を手がけた時は、失敗だらけだったそうです。「食事の作り方に関しても、好みや味付け、調理法など試行錯誤しましたね。ホームでは食は何よりの楽しみ。その気持ちに応えたいと頑張りました」 メニューは工夫が凝らされています。石狩鍋や朴葉味噌など、郷土料理を取り入れたり、調味料やおやつも全国からお取り寄せすることも。海外生活の長い入居者も多いため、ハーブやオリーブオイルの料理も登場。イベントも多く、夏祭りでは屋台、居酒屋イベントでは海鮮バーベキューなど。和洋中なんでもOK、ご家族との会食などのコース料理にも対応します。 「正直にまずい時はまずいと言っていただけると嬉しいし、ありがたいです。よりお客さまに近づくことができた気がします」フードサービスマネージャー井上清次さんP29(バイキング)、P30・31(桜の中庭)写真提供:ゆうらいふ世田谷

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