つなぐ通信 vol.03 2013秋号
8/40

08TSU NA GU TSUSHIN 仕事の無い時は踊り、三味線、長唄、小唄などの芸事に余念がありません。お座敷遊びで知られる「東八拳(とうはちけん)」も相当な腕前のようです。書道も始めました。趣味は自ずと仕事の肥やしとなります。「ことぶきシスターズ」を従えたライブステージ(写真左)。海外ではブギウギのようなテンポの早い音楽よりも純邦楽が人気でした。都々逸のようにメロディーが一定しないものや、小唄のように起承転結で成り立っている音楽は、外国には無い新鮮なスタイルなのです。PRESENTうめ吉さんのCD『うめ吉 蔵出し名曲集』とサイン入りポストカードをセットで3名の方にプレゼントします!応募方法は37ページをご覧ください。岡山県倉敷市出身。高座名は檜山うめ吉。江戸時代より薬問屋を営む旧家に生まれる。上京後「和芸」の虜になり、国立劇場の寄席囃子研究生を経て「お囃子」となる。その後唄って踊れる「俗曲師」としてデビューし寄席の人気者に。ジャズバンドやダンサーを率いてのライブ活動、CDのリリースも多数。2007年より「くらしき観光大使」を務める。地毛の日本髪は毎日自分で結い上げます。Umekichi 所属事務所の佐藤マサノリ社長が有名なジャズマンだったこともあり、早速ジャズバンド「おてもと社中」が編成されます。ヘッドセットを装着し、エレキ三味線を手に、バックダンサー「ことぶきシスターズ」を従えた「三味線ブギウギ」がライブハウスで繰り広げられました。笠木シヅ子、美空ひばりなどの軽快な昭和歌謡もカバー。ロックコンサートへの参加や海外公演など、活動範囲も広がりました。「俗曲は、例えるなら元祖Jポップです」と語るように、時代や世代、国境を超越する独自の世界観で魅了します。 また、憧れの先人たちに少しでも近づきたいと、古いレコードを探し求め、素敵だと思う唄い方、節まわし、間の取り方、三味線の弾き方を真似ました。浪曲、都々逸などの大師匠たちは、高度なテクニックを持ちながら娯楽性があり、大人から子供まで楽しませるエンターテイナーです。 はじめは「美しい日本人になりたい」と始めたことでしたが、純邦楽の「質の高い娯楽」や和の文化のすばらしさをもっとたくさんの方に知ってもらいたいと思うようになりました。自分のルーツや倉敷に対する思いも深まりました。2007年より「くらしき観光大使」を務めるなどふるさとの宣伝活動にも余念がありません。 うめ吉さんは「アナログの音」にこだわります。古いレコードに出会った時に、CDのデジタル音では感じることのできない「音の温かさ」「曲の奥行きや味わい」に気がつきました。レコーディングもできるだけアナログです。デジタルの音はゴージャスですが機械的で、人間本来の持つ「ゆらぎ」や「呼吸」がないといいます。人との出会いも芸事もアナログ作業の積み重ね。文明の進化とともに退化していった「感じる力」を養うのは、アナログしかないと信じているからなのでしょう。どどいつ

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です