つなぐ通信 vol.03 2013秋号
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30TSU NA GU TSUSHIN 入られたらターミナルまで。介護と医療は車の両輪毎年、在りし日を偲んで家族とともに盆供養左上/廊下のステンドグラスには、少しでも記憶に繋がるようにと季節の風物詩が描かれている。右上/ガラスで作られたりんごのシャンデリア。りんごのコンクリート彫刻に囲まれている。左下/階段の天井には空をイメージしたのか、外光が美しいステンドグラス。右下/ステンドグラスの近くの壁には、鳥が飛び、まるで南の楽園のよう。1階から2階への階段。生活リハビリができるように、段差は低目に、床は木で柔らかく。壁には生命感溢れる南国の自然。遊び心がたっぷりで、登り降りするのが楽しくなる。それこそ、リゾート地のようなお風呂!窓が大きくとられ、リラックス気分は満点。かつて利用者が温泉に行ったら、「ホームのお風呂の方が立派」と自慢したという逸話があるが、納得だ。角には笑い顔や泣き顔も!指定介護老人福祉施設向台老人ホーム社会福祉法人 向 会東京都東大和市芋窪3-1638-2TEL.042-562-6787www.mukoukai.orgdata 「心のこもった介護、そして心でお客様をお迎えするのが法人の理念。それが浸透しているのか、オープン当初から介護面でもお入りいただいたらターミナルまでお世話してお帰りいただきます。介護と医療は車の両輪ではなかろうかと思います」と野口さん。理事長がドクターですぐ隣に病院があることから、胃瘻や在宅酸素など医療的処置の必要な利用者が多く、平均介護度は3.5。長い方は23年をこのホームで過ごされたそうです。副施設長の上野なみ子さん。「無量寿」入り口の流木には、命の再生という願いを込めて、新芽がそのまま残されている。右下には螺鈿細工も。 年1回、亡くなられた方の盆供養を行い、今年はご親族15名8家族が参加。「在りし日の利用者様のお話などをして、同窓会のような気持ちでやっております。厨房さん手作りのおはぎとおそうめんをいただきながら。私自身、母が10年ほどここでお世話になり看取りました。家庭介護の大変さは身にしみていますから、日々目が離せない状態になった時には、施設にお願いすることをおすすめします」(野口さん) 隅々まで工夫、配慮がなされた建物同様、利用者やその家族に対しても、心を込めて家族のように接し、最期の時は晴れやかに送り出す。人生を全うすることは素晴らしいことだと教えられた気がしました。いろう

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