つなぐ通信 vol.03 2013秋号
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28TSU NA GU TSUSHIN 生命のパワー、輪廻を感じ寿命いっぱい生きる壁、床、天井といたるところにアート。まるで美術館敷地内に一歩足を踏み入れると、ここはスペイン?と錯覚してしまうほど、完成された建築が。20年前、それまでの老人ホームの概念を覆した「向台老人ホーム」は、今も変わらず、アーティストたちの思いとぬくもりが生きています。東京都東大和市指定介護老人福祉施設「向台老人ホーム」ホームを訪ねて05OG GIKENPRESENTS「無量寿」。霊安室とは思えない、明るい空間。最期を迎えた後、手のひらの上に安置される。稲穂が塗り籠められた土壁は、一度亡くなってもまた命が土から芽を出すようにという思いから。普段はオープンになっていて、毎日手を合わせに来る利用者もいたという。 ヨーロッパのリゾート地のように、芸術が溢れるデコラティブな外観。「向台老人ホーム」の建物は日本のガウディと呼ばれる建築家・梵寿鋼さんの代表作として知られています。 建物内もまるで美術館のごとく。壁、天井、床などいたるところに装飾が施され、賑やかなイメージかと思いきや、穏やかで心地よい空気感が漂います。木や土壁など自然素材がふんだんに使われているのが、その理由と言えるでしょう。 「梵寿綱さんとアーティスト約20名と大勢の方にボランティアの気持ちで作っていただき、1980年にオープンしました。梵寿綱さんはスペインの建築家ガウディが大好きで、その思いを込められぼんじゅこう

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