つなぐ通信 vol.03 2013秋号
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12TSU NA GU TSUSHIN お昼の定食にはお茶セットがつく。チョコレートに似ているが刺激の少ないキャロブを使用したマフィン¥300など、どれもが深澤さんの人柄があふれている優しい味。使用している食器の8割以上が『魯山』のもの。現在はひとりで店を切り盛りしており、忙しいときはお客さんが手伝ってくれるという。マクロビの料理本を3冊出版している実力者。東京都八王子市出身。『ミンナごはん』オーナーシェフ。花屋に憧れ農業高校に入学するが、野菜の美味しさに感動し料理の道へ。その後マクロビオティックに出会う。7年間近く吉祥寺の『ベースカフェ』で料理人として働き独立。今年6月に憧れの店をオープン。深澤 暁子さん 『魯山』店主の大嶌文彦さんは、作家を発掘し、魅力を引き出しビジネスへと導く、プロデューサーでもあります。「こういうものが欲しい。けど無い。じゃあ作ろう!」そういって廃材から作ってしまう作家でもあります。時には大嶌さんの世界観でショップやギャラリーの内装をデザインして欲しいという依頼があります。 今年の6月にオープンした深澤暁子さんの店『ミンナごはん』もそのひとつです。深澤さんが7年近く料理人として働いていた吉祥寺の『ベースカフェ』の内装を手掛けていたことがきっかけでした。しかし問題がありました。圧倒的に資金が足りないのです。 プロの料理人の深澤さんも経営者としては素人。大嶌さんは帳簿の付け方大嶌文彦×深澤暁子「ミンナごはん」の内装秘話◀吉祥寺「魯山」「ミンナごはん」善福寺川クリーニング店北口西荻窪新宿▶北銀座通り伏見通り商店街壁は漆喰風にペンキに砥の粉を混ぜて深澤さんが塗ったもの。●ミンナごはん東京都武蔵野市吉祥寺東町4-15-13☎0422-23-375812:00~15:00/18:00~22:00月曜・火曜定休NishiogikuboNishiogikubo正面のオブジェのような鉄板は、実は電気スイッチの目隠し。などもアドバイスしながら、極力お金のかからない方法を考えました。それには「人件費の節約」が一番で、工務店を入れずに深澤さんと二人でやることを提案。とても大変な決断でしたが「お金をかけずにここまでやれる」ことを見せたかったのです。 店はカフェの「居抜き」を借りたので、家具など使えるものは利用。大嶌さんは毎日店に訪れ、大掛かりなものは自分でやり、ペンキ塗りや細かなものは、深澤さんにやり方を教え、作業してもらいます。こだわったのは、経年の質感を出すことと、コンセントや配電板、電気のスイッチなどを隠すこと。シャイでマイペースの深澤さんとの珍道中でしたが、約2カ月かけて完成させました。「みんなは僕を怖いというけど、僕ほどやさしい人間はいませんよ(笑)」彼を知るほどにその意味がよくわかります。季節に寄り添うマクロビオティックの日替わり定食¥1,000

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